Description

モーエンセンが初代FDBモブラー代表を辞める際に、モーエンセンの親友でもあるハンス・J・ウェグナーに推挙され2代目代表の大役についたのがポール・M・ヴォルタです。ハンス・オルセンの工房でも修行をしていた家具職人で、家具製作に非常に長けていました。

モーエンセンから「家具は人々を幸せにする」という信念を受け継ぎ、ウィンザーチェアからさらに装飾を省き、シンプルで加工しやすいスウェーデンのペグチェアの流れを汲み、J46をデザインしました。その手軽さとシンプルで美しいデザインは当時のデンマーク国民にすぐに受け入れられ、当時デンマーク国内ではモーエンセンを越えるFDBモブラーのナンバーワンヒットとなりました。その数は85万脚でその時のデンマーク人の5人に1人が所有していたと言われるほど。

日本ではモーエンセンやウェグナーが有名ですが、FDBモブラーからの評価は最大のヒットを生んだヴォルタもまた非常に高く、J46もデンマーク国民のもっとも親しみ深い家具として、FDBモブラー復刻の際、もっとも早く生産されました。

Detail

  • 生産国
  • Europe
  • サイズ
  • W450×D480×H800 SH445(mm)
  • マテリアル
  • beech (ラッカー仕上げ)
    oak (オイル仕上げ)

Designer

Poul M. Volther

ハンス・オルセンの工房で修業した後にThe School of Arts and Craftsを卒業、マイスターの資格を得る。卒業後はThe Danish School of Art and Desigで教師として若手デザイナーの育成に尽力した。

1949年にウェグナーに紹介され、FDBに入社。翌1950年にはモーエンセンが勤めていたデザインマネージャーを引き継ぎ、彼の「家具は人々の生活を向上させる」という信念も同時に引き継ぎ、指針とする。モーエンセンが家具により行った人々への職や金銭の確保でなく、手に取りやすい機能性とシンプルさ、手軽さを強調した「J46」はFDB最大のヒット商品といわれており、 1950年代のデンマーク家具職人ギルドの展示会では毎年のように出品されていた。FDBを1956年に退職すると同時にデンマーク国内の応用芸術学校で再び教師となる。彼の指導によりそのシンプルなデザインをベースとして用いるデザイナーは多い。

デザイン・機能面では完璧主義で、流行などの短命な家具を嫌がり、丈夫でシンプルなデザインを多く遺している。ウインザー家具を源流とする現代スウェーデン風のペグチェアをモデルとし、デンマークの人々の暮らしの質を向上させた。

代表作に『J46』『J48』『コロナチェア』などがある。